関口存男の『関口・初等ドイツ語講座』が外国語の入門書として理想的でした。

 

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉

 

 

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈中巻〉

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈中巻〉

 

 

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈下巻〉

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈下巻〉

 

 

ドイツ語の文法書は色々読んだのですが、関口存男の初等ドイツ語講座シリーズが1番よかったので、そしてドイツ語に限らず語学の入門書として理想的に思えたので、その特徴を紹介します。今後新しく語学を始めるにあたって、入門書を選ぶ際の参考にしてみてください。

 

覚えないといけないことは覚えろ、という態度と覚えたかどうかを問う問題

暗記は辛いから嫌ですが、語学をする際にある程度の暗記を避けて通れません。著者の関口さんは覚えるべきものをただ提示して終わるのではなく、これくらい覚えないと話になりませんという態度で読者に語りかけます。そして本当に覚えていないと解けない問題も出してくれるので、暗記から逃げにくい作りになっています。

しかし、覚えやすいような順序で文法事項を解説してくれています。具体的には、①大まかにまずは覚えるべきことを示した後で②細かい文法事項を提示するという形で覚えるべきことを紹介してくれるので、覚えやすい印象でした。

豊富で面白い例文

この本の中では読本という名付けられているパートがあります。これは各文法事項についての説明の後に来るパートで、その文法事項が使われた例文が訳文・発音とともに紹介されています。だいたい各文法事項ごとに読本パートは数ページに及んでいます。これを覚えるくらいに何度も読んで、覚えたら実際に自分で書いてみるという勉強をしたことでかなり読解力があがった感があります。

例文の内容も面白いです。「彼は仕事を探すが、街のみんなが彼の過去を知っているので、彼は仕事を得られない」とか。

この読本はさらなる工夫がされています。それは新出単語を使いすぎないことです。この本は文法を習得することを目的としているので、単語は1章ごとに少しずつしか増えていきません。そのため新出単語に煩わされることなく、例文を通じて文法事項の確認ができます。

所々で息抜きができる構成

覚えないといけないことを覚え、さらに数ページに及ぶ例文をすべて暗唱できるようにする、という勉強方法はかなりきつかったです。関口さん自身も語学は「悲壮な決心」を必要とするものと考えていたらしく、そのような覚悟がなければこなせない量の勉強を要求されます。とはいえ、所々で「休けい時間」なるパートが存在し、そこで息抜きができるようになっています。ここでは仮想の読者と関口さんがする対話を読むことができて、読者の理解を関口さんが試したり、逆に読者が関口さんにこの本の文句をいったり質問をしたりする、そんな内容になっています。

この仮想の読者は若干怠惰な語学者という設定のようです。ですので関口さんが出した問題に仮想の読者は答えられていないけど、自分は答えられるという自信を味わえたり、一方で怠惰だからこそ言える文句(つまり私も実は抱いていた文句)をこの読者が関口さんにいってくれているのを目の当たりにできたりして、かなり息抜きになりました。

この本を読んだ結果私はどうなったか

私は哲学書をドイツ語で読むという目標を持って、ドイツ語に入門しました。ですので今はドイツ語を読む練習を始めています。その練習を以下の二つの本でしています。

 

独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (1)

独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (1)

 

 

Was Ist Metaphysik?

Was Ist Metaphysik?

 

前者の本については、大学入試に使われていたドイツ語解釈の問題を題材にして、その解釈を研究したものです。この本に出てくる独文は、知らない単語が多いものの、その構造がわからなくて悩むということは基本的にはありません。『関口・初等ドイツ語講座』を勉強したことで、それくらいのレベルにはなるようです。

一方で後者の本は哲学書で、やっぱり難しいです。まだ習っていない細かい文法事項を知らないと読めない文が出てくるので、それはドイツ語文法の辞典を調べながら読んでいるという感じになっています。

なんにせよ上にあげた3つのポイント、①覚えろという態度で書かれ、暗記を確認する問題がある②豊富で面白い例文がある③息抜きができる構成になっている、は私にとっては理想の語学入門書の特徴でした。今後他の言語も学ばないといけないのですが、この特徴を持つ入門書を探して勉強したいと思っています。